「愚者の皮」草野誼作 ネタバレ感想 顔で夫に捨てられたあよ

「愚者の皮」のネタバレレビューです。

全２巻の作品。草野誼作、「かんかん橋を渡っても」の作者さんと同じです。現在、続編となる「チガヤ編」も連載中で、こちらは後日レビューします
顔が変わってしまっただけで愛は冷めてしまうのか？そんな問いに応えるような漫画です。

美しい妻とイケメンエリートの夫、幸せカップルが・・・

花のようにかわいらしい妻・あよは、イケメンでやさしいエリートの夫、英馬は結婚して熱々の幸せなカップル。もうすぐ、子供も生まれる。会社でも「美人の奥さん」として、あよは知られていた。

ある日、英馬はホームレスにコートを恵んでしまったため、あよは代わりのコートを届けに会社に行く。その後、ボランティアに老人ホームに行った帰り、英馬のコートを着ているホームレスを見つけて声をかけようとしたところ、トラックにひかれて大事故にあう。

気がつけば、病院。おなかの赤ちゃんは流れ、あよは顔面にひどい傷を負ってしまった。そしてこのことが、あよの人生を狂わせる。

妻の美貌が激変したとたん、去ってしまう夫

あれほど愛しあっていたのに、あよの顔に傷ができたとたん、英馬は急に冷たくなってしまう。夫の愛を取り戻すため、あよは藁にもすがる思いで美容整形手術を受けるが・・・大失敗。

手術前の顔よりもさらにひどい、モンスターのような顔になってしまう。「奥さん、美容整形っていうのはギャンブルなんです」と整形をした医者に言われ、あよは布団に包まって泣いていると・・・

英馬が寝室にやってきてあよに触れようとして、化け物のような顔の妻を見て吐き、あよを拒絶する。離婚届を差し出し、醜くなったあよをひとり置いて去っていく英馬。

夫に捨てられた妻と、妻を捨てた夫が迎える結末は

がらんどうの部屋に取り残され、醜い顔と老人ホームのおばあちゃんがくれた札束を抱えているあよ。英馬が違う土地で笑顔で仕事をしている姿を見て、あよの心の中に、初めて夫への愛以外の感情が芽生えます。

それは・・・復讐。おばあちゃんがくれたお金を使い、あよは探偵を雇ってどこまでも英馬を追いかけ、追い詰めていき・・・

人間の顔は皮一枚、そしてその皮の美しさで人の運命が左右されるのです。あよと英馬は、どんな結末を迎えるのでしょうか。

最後は・・・ハッピーエンドであるとお伝えしておきます。