まんが101選!

ジャンル別に人気漫画を101選!ネタバレあり。

溺れる花火 ネタバレと感想 峰浪りょう

峰浪りょうの漫画「溺れる花火」は、魔性をもった女性たちに振り回される大学生のお話です。泳太が好きになった女の子・小秋は病弱で、普通の関係がもてないためにプラトニックなお付き合いをしていました。

ところが彼女によく似た従姉妹の夏澄と出会ったことで、泳太は深い泥沼にハマっていきます。

溺れる花火のネタバレ感想

 高校生の頃から泳太が付き合っている彼女・小秋は、体が弱くて入退院を繰り返しており、普通の女の子のような付き合いができません。さらさらの綺麗な存在、それが泳太にとっての小秋でした。

とはいえ、若者の欲望はどこかはけ口を探しており、泳太もまた、自分の欲望を持て余していました。ある日、小秋の見舞いに病院を訪れると、彼女によく面差しが似ている従姉妹の夏澄がそこにいて、泳太はまるでそこに健康な女性に成長した小秋がいるように感じてしまいます。

「違う」のがわかっていても、本当は小秋と「したかったこと」への欲望が芽生えていくのです。そして、泳太の欲望を見ぬいたかのように、夏澄が誘ってきて・・・

一緒に花火を見たい、という小秋の願い

夏澄に肉体的にひかれていく泳太は、小秋と約束していた「今年は一緒に花火を見る」という約束を忘れてしまいます。体が求めるものを必死におさえつけてきた泳太は、一時の快楽のために、自分を見失っていきます。

心は小秋のことを思いながらも、小秋が与えてくれないものを代償として夏澄に求めながら・・・青春のドロドロとした欲望と、どうしようもないやるせなさ。

魔性を秘めた女達に振り回されて、運命を狂わせていく青年。
誰も幸せなエンドなどない、鬱漫画ではありますが、男女のエゴを描き切っています。