まんが101選!

ジャンル別に人気漫画を101選!ネタバレあり。

「ちいさいひと 青葉児童相談所物語」ネタバレ感想 夾竹桃ジン

漫画「ちいさいひと 青葉児童相談所物語」のネタバレ感想です。作者、夾竹桃ジン水野光博・小宮純一。

6巻ある作品で、サンデー連載時に児童虐待について描かれた描写が大きな反響を呼んだ作品です。

新米の児童福祉司・相川健太

主人公の相川健太は、新米の児童福祉司として青葉児童相談所で働くことになりました。じつは、彼自身も過去に虐待を受けた子供時代の過去があり、その過酷な運命を生き抜いた存在「サバイバー」なのです。


健太はそんな重苦しい過去を感じさせない、明るい青年に見えますが、やはり虐待された経験があるせいで、過去の自分と同じ苦しみを味わっている子どもたちのほんの少しのしぐさから、「何があったのか」を嗅ぎ取ります。

置き去りにされた子どもたち

第一話は、母親に置き去りにされ、育児放棄された二人の女の子たちの物語。愛莉と莉子は、狭い部屋に置き去りにされ、時折ドアの隙間から母親からのコンビニ弁当をもらう生活をしていました。


莉子は母親に「愛莉が死んでしまう!」と訴えかけますが、「あなたが面倒をみなさい」と母親がすぐにドアを閉じてしまいます。やせ細って、骨ばかりになったふたりの女の子。健太は、果たしてどうやって二人を助けるのでしょうか!?

駆け出し児童福祉司の願い

健太は虐待され、命すら失う辛い環境にいる子どもたちを助けるために、全力をつくします。子どもたちに、生き延びてほしい。部屋の中で助けを求める子どもたちの小さな声。

ともすれば、聞き逃してしまいがちなSOSのサインを、彼はひとつひとつ拾い上げ、子供たちの心と命を助けだすのです。

この漫画自体はフィクションですが、子供たちの身の上に起こっていることは、悲しいことに全国で実際に起こったことばかりです。

子供をもつ、親だけではなく、これから大人になっていく若い世代にも読んでほしい。

そういうお話でした。