まんが101選!

ジャンル別に人気漫画を101選!ネタバレあり。

学校へ行けない僕と9人の先生 ネタバレ感想 棚園正一

棚園正一「学校へ行けない僕と9人の先生」は、不登校児だった作者の体験を元に描かれた実話系物語です。WEBコミックアクションで連載されていました。


ある先生の体罰がきっかけで学校に行けなくなった少年が出会った先生たち、最後の9人目の先生がなんと「ドラゴンボール」で有名な漫画家である鳥山明先生だった、ということで注目の作品です。

少年が不登校児になるまで

 正知は漫画の真似をして絵を描くのが好きな7歳の少年で、先生が話すことについていけず、戸惑っていました。小学校1年生で担任になった大嶋先生にわからない部分を「わかりません」と言うと、いきなりぶたれてショックを受けます。

ぶたれた理由がわけがわからないまま、正知はもう学校に行くのが怖くなり、「アタマが痛い」と言って不登校になります。病院に行っても異常は見つからず、やがて「黒いおじさんが来る」と幻覚まで見えてくる始末。精神科に行っても解決への道筋が見つからず・・・

厳しいけれど優しかった宮村先生

つぎに正知が出会ったのは厳しいところもあるけれども、優しい宮村先生。不登校になった正知が学校に来られるように気を配ってくれたおかげで、何度か登校できました。

ところがある日、宮村先生が病気で学校に来なくなり、代わりの先生になると正知にはまた「黒いおじさん」が見え始めます。そして電話で知った、宮村先生の突然の死・・・先生の車に乗って学校に行ったことが、まるで遠い昔のことのように正知には思えるのでした。

不登校児のドキュメンタリー

先生たちとの出会いと別れを描き、どうして作者が不登校児になったのか、そしてどのようにして生きる道筋を見つけたのかがこの漫画から伝わってきます。

不登校、という問題を取り扱ってはいますが、この漫画では「不登校問題をどう解決したらいいのか」ということはかかれていません。いわば、元・不登校児だった体験をドキュメンタリー風にまとめている内容です。

 不登校の子供はこんな風に感じているのだろうな、と子供の気持ちを想像しながら寄り添えるような漫画でした。


大人が不登校の問題を解決するためにあれこれするのではなく、ひたすらなぜか不登校児になってしまった子供の目線から、日常が描かれているのです。